国連軍司令部の旗は違法, 国連事務総長に使用中断を求め、国際民主法律家協会など公開質問状を送る- 『民プラス』2019年10月2日

『民プラス』2019年10月2日
国連軍司令部の旗は違法
国連事務総長に使用中断を求め、国際民主法律家協会など公開質問状を送る

                           チョ・ウォンホ

国連総会が開催されている米国ニューヨークで、1日(現地時刻) 40以上の国内外の平和団体と国際民主法律家協会が国連事務総長に、駐韓国連軍司令部(国連軍司令部)が国連旗を使っているのは不当だと指摘する公開質問状を送り、これに関連した記者会見を行った。
記者会見では「1950年朝鮮戦争当時につくられた国連軍司令部は、米国が国連安保理の決議を捻じ曲げて作った‘偽装’機関であり、国連旗の使用も「国連フラッグ・コード違反」だとして、使用の中断を求めた。
 国内外の平和団体は国連傘下の公的機構でもない、いわゆる「国連軍司令部」が国連旗を使用しているのは違法であり、国連旗コードにより国連旗の使用承認権を有する国連事務総長がこれを禁止するよう要求した。
 1970年代から既に国連会員国は、「国連軍司令部」解体と国連旗の使用中止を主張してきた。1975年には国連総会で「国連軍司令部」解体まで決議された。 1993年にはブルートス・ガリ当時の国連事務総長が 公開答弁で「国連軍司令部」は国連傘下の機関ではないことを明言し、1994年には自分が国連旗の使用を承認したことはないという立場も明らかにした。

 記者会見で国際平和団体は「米国が国際社会と国連憲章、国連旗コード、国連総会、国連事務総長の立場を無視し、これまで国連旗を使ってきた」としながら、「国連事務総長が自分の権限を行使し、 ‘国連軍司令部’の国連旗使用を禁止させる実質措置を取ることを要求」しつつ、国際民主法律家協会(International Association of Democratic Lawyers =IADL)と国内外の平和団体が連名した公開質問状を 国連事務総長に送付した。.
 質問状でIADLの会長、ジーン・マイア弁護士は「米国がこれまで国連の名を盗用し、国連の軍隊のように偽装してきたのは、国連の平和精神を深刻に損なう行為」だとしている。
 韓国の平和団体はKIPF (Korea International Peace Forum=コリア国際平和フォーラム)を中心に、6団体で構成された平和使節団を作り、今回の国連総会期間中にニューヨークを訪問し、国際社会にコリアの平和を知らせる活動を行った。
リュ・ギョンワンKIPF代表は記者会見で、戦時作戦権の返還問題と併せ、韓国国民の主な関心事として浮上した「国連軍司令部」 問題について、いわゆる「国連軍司令部」は南北鉄道や道路の連結など、板門店宣言の履行のための南北交流事業を妨害している最大の障害だ」と指摘しつつ、「米国が国連軍司令部の地位を強化し、国連軍司令部の後方基地となっている日本の自衛隊を朝鮮半島に上陸させる憂慮がある」と強調した。
 国際平和団体は国連の法と権威、秩序を毀損している‘国連軍司令部’問題を解決するため、国連会員国の関心と参加を訴えた。
 彼らは公開質問状の発送を皮切りに、朝鮮戦争後に韓国と日本に駐留してきた「国連軍司令部」が米国の「まやかし」であることを明らかにし、これの是正を求める国際活動を今後も行う予定だ。

<参考>別紙、公開質問状